長竿特有の持ち重りとブレを抑えた新たなるロングロッド
利根川や長良川といった大河川の本流域で尺ヤマメやアマゴ、サツキマスを狙うために開発した長尺の本流竿が『SGファインスペック』です。川幅が広い大河川では9~10mの長竿が欲しい場所が多々あります。立ち込むことが困難で流芯まで距離がある場所、淵や瀬の落ち込みといった水深がある場所などは、長竿が生み出す+1~2mというアドバンテージがなければきちんと攻めることができません。
手付かずのサラ場は、良型の魚が多く定位している一級ポイントといえます。加えて大河川の本流域は、想定以上の大物が喰ってくることもあります。『SGファインスペック』はパワーランクをMHクラスに設定することで、尺上クラスはもちろん、40㎝クラスの大型魚にも力負けしないパワーを備えています。
『SGファインスペック』をテストするにあたって最もこだわったのは体感的な軽さとバランスです。長竿には「持ち重りがする」「振り抜けが悪くブレる」「操作性が悪い」「アワセのレスポンスが遅い」というデメリットがあります。これらを改善するには竿全体の軽量化とシャキ ッとした張り感が重要です。
『SGファインスペック』では、スパイラルXと価格帯を超える高弾性カーボンを各節へ適切に採用することで、細身ながらシャンと背筋が通った、スッキリとした振り調子に仕上がっています。持ち重りもうまく抑えられており、一度触ればその軽快さをすぐに体感していただけるはずです。
『SGファインスペック』が完成するまで、構想を練って1stプロトを作成し、約3年という月日を要しました。素材や設計のトライ&エラーを積み重ね、自分としてはベストなバランスを引き出せたと思っています。
大オモリを緻密に管理でき、フッキングレスポンスも素晴らしい
『SGファインスペック』を使ってまず感じたのは、優れた操作性です。長竿はストロークがあるぶん細かい操作がしにくいものですが、シャキッとしてダワつきのない『SGファインスペック 』は、遠いスジを流す際も繊細に仕掛けを操ることができます。オモリが石に当たる感触も手元まで明確に伝わり、「止める」「持ち上げる」「流す速度をセーブする」といった操作も意のまま。底でスタックしたオモリも小さな動作で外せるので、根掛かりに臆することなく、石の頭ギリギリを流すといった攻めも可能です。
もうひとつ、アワセなどの動作に対するレスポンスのよさも特筆点です。『SGファインスペック』は適度に張りを持たせた穂持ち以降の節がうまく穂先をサポートして、クイックかつダイレクトにアワセが決まります。軽量の穂先ながら、2Bクラスのガン玉を3つ、4つと打っても重さに負けず、底波に仕掛けを入れてエサをゆっくりと流してアピールすることが可能です。細身のブランクスは風にも強く、竿を寝かせて道糸の膨らみを抑えるといった操作も楽に行えます。
操作性とレスポンスばかりを強調してきましたが、掛けてからのパワフルな矯め性能は、やはりスーパーゲームの血統です。25㎝クラスなら楽に引き抜くことができ、それ以上の大物も強い引きを胴がしっかり受け止め、まっすぐ寄せてくることが可能です。