【強いZAION】 高密度にカーボンが織り込まれた高硬度樹脂であるZAION。カーボンを含有する樹脂は以前にもあったが、ZAIONは一般カーボン素材の2倍以上、成型の際に熱して型に流し込める限界までカーボンの含有量を高めてあるので、非常に硬く、そして強い。それこそ切削マシンの刃がすぐに傷付くほどで、重量当たりの剛性はマグネシウムを上回る。それゆえ加工には非常に高度な技術を要するが、ローターやハンドル、レバーなど各方向からの負荷が集中するリールというタックルにおいて、ZAIONはまさに理想の素材と言えるだろう。 【軽いZAION】 加工が可能なぎりぎりのレベルまで樹脂量を抑えているZAIONは、高剛性であるとともに、非常に軽いことが特長。その比重は、かつて夢の軽量メタルと呼ばれたマグネシウムをはるかに凌ぎ、ことリール素材に関してはメタル一辺倒の時代は終わったと言える。リールの軽さは様々な面で優位性を生む。軽量のロッドと合わせて取り回しが楽になる上、ハンドルが数g軽くなっただけでも正転・逆転ともクイックになる。ちょっとしたミスがバラシに直結する大型魚とのやり取りでは、そのメリットをよりリアルに体感できるはずだ。 【錆びないZAION】 金属という素材は実にナーバスだ。特に波飛沫が舞う磯というフィールドは金属にとって最悪の環境。リールをちょっと岩にぶつけたり、擦ったりしようものならすぐにキズが入り、程度の差こそあれどんな金属も手入れを怠るとそこから腐食してしまう。しかし、カーボンと樹脂のハイブリッド素材であるZAIONは錆びや腐食に対して非常に強いため、磯で余計な神経を使うことなく、釣りそのものに集中できる。リールがタフであることは、トラブルレス以上のアドバンテージをもたらしてくれるのだ。 |