
「ベイトフィネスの出現でベイトリールにおけるバーサタイルの定義は大きく変わった。従来通りのルアーが使える事は当然として、軽量ルアーをもストレスなく投げることができ、しかもスプール強度も犠牲にしない。それが次世代のバーサタイル。」開発に携わった並木敏成の言葉がSVというベイトリールの根幹を物語る。 超軽量素材G1ジュラルミン製スプール(STEEZ SV、STEEZ SV LTDに標準装備)は、超軽量リグ使用時でも申し分ない高回転を生み出す。さらに、エアブレーキシステムと呼ばれる画期的なブレーキを搭載。周知の通り、ダイワのベイトリールはマグネット式のブレーキシステムを採用している。長年の高い実績はもはや伝統とさえ呼べるが、他にはない大きなアドバンテージがあるからこその結果なのだ。存分な耐久性はもちろん、瞬時にブレーキ設定が可能な外部調整ダイヤル、天候に左右されることなく常に安定したブレーキ力をキープ。ピンスポット値に調整できない限り最高出力を発揮しない、また時に意図に反する出力を生む他のシステムとは大きく異なり、アングラーの思いのままに操作できることこそがマグネット方式のメリットなのだ。エアブレーキシステムは、そのマグネット式ブレーキの有効性を極限まで高めた新たなシステム。リグが一定ならばシチュエーションごとのこまめなブレーキ調整とはほぼ無縁で、キャティングとピッチングを高レベルで両立する。ダイワ独自のマグフォースは、スプールに装着されたインダクトローターがキャスト時の遠心力によって磁界へと入り込み、スプール回転を制御する仕組み。新システムは軸部を2重構造に設計することで、フルキャスト時にはブレーキで制御する一方で、ピッチング時のスプール低回転時にはインダクトローターが飛び出さずスムーズかつ存分な飛距離を生み出すことを可能にする。 マグネット式ブレーキならではの実戦メリットを最大限に引き出したSVは、最小限のマグダイヤルの調整だけで、4〜5g前後の軽量リグから重量級ルアーまでを、文字通りストレスなく扱う事ができる。疲れにくく、楽にキャストが決まるため、結果的に釣果アップも望める。スプールを交換したり、サイドプレートを開けたりして、セッティングに時間を掛ける事もない。現存するベイトリールの中で、ルアーの守備範囲が一番広いSVは、オカッパリからボートまでスタイルやフィールドを選ばない。エアブレーキシステムが、マグネット式ブレーキの有効性を極限まで高めて、新時代のバーサタイルリールを完成させた。 |