銀影競技Tは、ダイワ鮎ロッドの“核”だ。 それはT調子の感度と操作性が我々が理想とする鮎ロッドの基準であるからこそ中心的存在としてふさわしいのである。 一方で、定番と呼ばれる存在は変化を嫌う。作り手側もそして固定ファンも、変わってほしいという気持ちと変わってほしくないという気持ちがせめぎあうが、多くの場合安定を求める。 だが、ダイワは銀影競技Tを変えることを選んだ。 もう一度、鮎ロッドの基準を、常識を、一新するために。
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基本性能を上げるテクノロジー。
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グランドシリーズやスペシャルMTで採用した7本継はVコブシがなく、チャージリングによって操作性が補完される。いわば切っても切れない関係だ。が、今回の競技Tは8本継だがチャージリングを搭載した。なぜか?それはかつてない操作性と管理能力を手に入れるため。そして、オールラウウンダーは「Tの範疇で曲がる調子」を、ハンドリングマスターは「Tの調子の究極形」を目指したからである。チャージリングとVコブシの新たなコンビネーションが、Tに革命をもたらす。
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ゼロコーティングでさらなる軽量化
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| ゼロコーティングは素材表面に超極薄の塗装を施すことで、ブランクスの能力を無塗装とほぼ同等にまで引き上げる、ダイワにしかできないテクノジー。感度と操作性を向上させ、パワークロスを防ぎ、全体で1g未満の重量増に抑えられる。 つまり同じ調子のロッドを、通常の塗装を施したものとで比較すれば、ゼロコーティングの方が同パワーなら5g以上も軽く、また同重量ならより強く作る事が出来る。
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2つの『SMT』の恩恵。
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2015年、グランドスリムで登場した『SMTチューブラ』は、さらに特化した形で競技シリーズに採用される。それはまさに軽さとパワーに特化したニュータイプ。Tのために生まれたのでは?と錯覚させるほど相性がいい。事実、かたくなに『SMT』を拒んできた鮎師ですら、従来のカーボン穂先に戻れないほどの中毒的性能を誇る。こうして新たに『SMTチューブラ』を獲得した競技Tは、カーボンチューブラでは決して拾えないアタリも補捉できるようになった。そして、同時にソフト性に優れた『SMT』も標準穂先に従えて、2つの『SMT』がTとしての存在感をより強調させる。 パワー&スピードの『SMTチューブラ』は引き釣りを軸に、背バリやオモリを使用した瀬釣りにベストマッチ。穂先の硬さは掛かり鮎を水面から切る、抜けの早さにも優れる。柔軟&フィネスの『SMT(ソリッド)』は小型オトリや低活性時の管理泳がせに威力。この2つが揃えば、いかなる釣法や状況、サイズに対してもカーボンでは不可能な野鮎探知能力を発揮できるのだ。
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両極への進化。
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チャージリング×Vコブシ、ゼロコーティング、2つの『SMT』穂先。今回の競技Tでは新たなテクノロジーが次々と導入された。しかしこれらは、あくまでもロッドの基本性能を高めるためのもの。ロッドがどうあるべきか?というコンセプトはこの先にある。そして、基本性能をここまで高める事ができたからこそ、競技Tには前例のない進化の萌芽が見えてきたのだ。 だからオールラウンダーとハンドリングマスターで、両極といえるほど思い切ってテイストを変えた。「同じ調子のパワーの違い」という安直な思考を排し、競技Tのコンセプトを受け継ぎながら、個性的で魅力的に生まれ変わった。いや、新たに別の独立した存在として、“豹変”したのだ。
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不動の“センター”誕生。 真のオールラウウンダーとは何か? 「T]というカテゴリーを逸脱することすら恐れずダイワ鮎ロッドの“センター”を再構築。 徹底的に作り込んだからこそ、誰もが使える、獲れる。調子、極めたり。
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「オールラウウダー」の愛称で親しまれてきた競技Tが、ダイワ鮎ロッドの新たなる基準を創造し、生まれ変わる。その原動力はもちろん2種類のSMTであり、8本継でありながらあえて搭載したチャージリング。これらの存在によって「T」でありながらも曲がり、粘り、そして獲れる。高い操作性やパワーはそのままに、滑らかな引き心地やタメ性能の両立を可能にした。歴代オールラウンダーの長所を受け継ぎながらも、決して「パワーの違いの競技T」という安易なコンセプトに流れることなく、個性的かつ真のオールラウンダーへと、このロッドは大きく変貌した。
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