207gの軽量自重ながらTならではのリニアなオトリ操作に速攻抜きを可能にするパワーとスピードを備えたスペシャルTのライトチューニングバージョン。
「隠れた引きの銘竿」 スペシャルFが山本高義の手により、一切の妥協がない泳がせ専用機種となった今、20年以上ロッド開発に携わるダイワの増山邦夫にはひとつの考えが固まりつつあった。管理泳がせをテーマに製作された前作スペシャルF、これを新たな形で生かせないものだろうか、と。 長良川のマスターズ全国決勝大会で、優勝経験のある名手が前作スペシャルFを駆使して引き釣りで競う場面に遭遇した。さっそく増山も試してみた。驚いた事に、軽くて、想像以上に引きやすい。気持ちよく数を伸ばしてくれるロッドなのだ。「もともと僕はT調子が大好きでなんですけど、前作Fは管理泳がせの竿なのでそんな釣り方はしなかったのですが・・・正直、一番好きな竿になりました。前作スペシャルFはVコブシのせいか、鮎のサイズが小さくても浮かさずに引けるんです。」本人曰く、「個人的な好みを開発者のエゴとしてスタートさせた」というが、コアなファンに支持されていたTのマニュアル感、ジャジャ馬感を抑え、もっと軽く、スムーズな引き感を備えたロッドの潜在的な需要はあったのだ。こうして密かに進行したプロジェクトは前作Fをベースにプロトを製作するところから始まった。 |