では、タイラバゲームにはどんなベイトリールが使いやすいのだろう。一日中手持ちで操作し続けるため、小型で軽量、さらにソルト対応であることが絶対条件といえる。手の中にすっぽり収まるロープロボディなら申し分ない。スローなステディリトリーブが原則のタイラバでは、ギヤー比5.6〜5.8程度が向いている。ギヤー比7以上のハイギヤタイプでも、もちろんスローリトリーブは可能。しかし、実際にやってみれば分かるように、ハンドルをゆっくり回し続けなければならないハイギヤタイプは慣れれば問題ないのかもしれないが、ストレスに感じるアングラーも多いようだ。また、同じポイントに手の平サイズから10kg級まで潜んでいるのがマダイゲームの特徴。小型リールであっても不意の大物に対処できるパワーとスムーズなドラグ性能が必要。 以上がタイラバリールに求められる要素だが、“誰にでもマダイが釣れるリールを作りたい”との思いから、タイラバゲームに特化した製品、「紅牙ICS」を開発。最大の特長が水深を表示するICカウンター。通常はPEラインのカラーやマーキングによってレンジを把握する。しかし朝夕の暗い時間帯はラインがよく見えないこともあるし、ちょっと目を離したことで何mだったか分からなくなることもある。デジタル表示ならば間違えることもなく、瞬時にレンジを知ることが可能。バイトのあったタナを繰り返し正確に攻めたいときや、着底寸前でリトリーブを開始するといったテクニックにも楽に行える。水深の横に表示されるのが巻取りスピード。タイラバゲームに限ったことではないが、リトリーブのスピードを伝えるとき「ゆっくり」「やや速め」など極めてあいまいな表現を使うことがあるが、当然これでは正しいスピードは分からない。その点、このリールなら水深とともにリトリーブスピードも正確に知ることができる。同じリールを使っている仲間でヒットデータを共有することができるし、そのデータを残すことも可能となった。
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