■ブランク 上記要素を満たす素材として「エメラルダス EX」シリーズに採用している「SVF COMPILE X」がある。 「SVF COMPILE X」はこれまでで最高のブランクではあるが、山田は「飽くなき軽量化」を要求した。 そこで新たな素材として、ナノアロイ技術を取り入れた「ナノプラス」テクノロジーの採用を検討した。従来より接着剤(レジン)をナノ化・高分散化させることで、更に軽く、強いブランクとなる。しかしナノプラス化により、より筋肉質になった「SVF COMPILE X ナノプラス」に山田テスターが突きつけた応えはNO。山田は感度と軽量化だけでなくエギを滑らかにシャクルための「しなやかさ」を重視している。 つまり、軽量・高感度・しなやかさが高次元で融合するブランクが山田の目指すところ。「感度と軽さだけを求めたら『SVF COMPILE X ナノプラス』はいい素材。恐らくこの素材を求める人もいるでしょう。でも、それは僕のスタイルじゃない。僕にはブランクのしなやかさもマストなんです。」 そこで新たなブランクを採用したテストロッドを作成して使用してもらったところ「明らかにEXよりしなやかになってるやん!、それでいて軽量で感度も高い、メチャ良くなったなぁ!このブランクで行こう!」とファーストインプレッションは上々の反応。 幾多のフィールドテストから導き出されたのが「SVFナノプラス」である。「感度」と「軽量性」、そして「しなやかさ」を兼ね備えた山田テスター好みのブランクが実現したが、それでもまだ何かモノ足りないようだ。「エメラルダス EX」シリーズを使い込んできた山田だけに、シグニーチャーシリーズとなる「STOIST」にはその違いが誰にでも感じられるだけの進化を求めていた。 ■新型『AGS』の誕生 この足りない部分を補う要素は何か?ブランクの進化に飽き当たらず、山田は「AGS」に着目した。 ダイワ独自の「AGS」はもはやこれ以上無いというくらい軽量化が進んでいるガイドシステムである。 それをあえて、山田は次なる進化のターゲットに指名した。より軽く、より小さく。山田の要求は一切の妥協を与えなかった。 素材選定・形状検討のトライ&エラーの中から生まれた「Rフレーム」に「Cリング、Nリング」。これが「エメラルダス STOIST」に搭載される新型「AGS」なのである。 <AGS素材表>
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| 既存AGS | 新型AGS | ガイドフレーム | 形状 | S(スタンダード)フレーム | R(ラウンド)フレーム | 素材 | HVF | HVFナノプラス + T1100G | ガイドリング | バット側 | SIC | Cリング(コバルト合金) | ティップ側 | SIC | Nリング(シリコナイト) |
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